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ご愛読ありがとうございました good bye
by peacetree
講習会Ⅱ 2日め


::::: 2004年4月25日 Sun :::::

臨床発達心理士講習会2日め@学芸
科目:言語発達の支援
9:00- 言語発達の支援方法 常田秀子
13:00- 言語獲得初期の支援 秦野悦子 
16:20- リテラシーへの支援 大六一志

今回の講習会は 縁のある先生が偶然講師っていうのが多くて
(6人中4人! うち一人には昨年半期 大学で講義受けてるし)
ラッキーというかアンラッキーというか…
話す内容が予測できると 眠くなるのがね 困るんですよ
講義の進め方は予測できる方が 安心できるんだけどねぇ
申し込む前に 講師がわかっているといいのになぁ


::::: what's happened :::::

帰宅したら 裏口のところに筍の山!
お隣り(親戚)が友人を呼んで「大たけのこ掘り大会」を開催したそうな
「だいぶ掘ってもらって助かったよ」
とは父の弁
「でも火曜あたりに雨降るって言うし またたくさん出るわね」
と母
「ボランティア募集のホームページ見てたら
 奥多摩にたけのこを掘りに行って自然と触れ合う活動が載ってたよ
 うちに来てもらえればよかったね」
妹よ… そういう問題なの? 
「で 母さん この筍の山で何作るの?」
そうそう そこが肝心なのよ さすが弟

答え: 大量の筍ご飯


::::: what's done :::::

▼常田先生
【言語発達の大まかな流れ】
①前言語期(~10ヶ月):喃語「マーマー」 基本的コミュニケーション能力
②初語期(10ヶ月~15ヶ月):発達の2タイプに注意
③単語~構文獲得期(2歳前後~4歳):2語発話や発話機能の多様化
④会話期:会話の能力が急速に成長(会話の順番 声音 モニタリング)
【支援の方向性】
①ベースとしての生活への支援
言語を育てる生活基盤が安定し 関わりあう人物と信頼し得る人間関係が
築けているかどうか ポジティブな情動が中心な生活かどうか
②個別指導における支援
S-S法により認知能力を支援/ごっこ遊びでコミュニケーション能力育てる
連続絵を用いて言語表現を指導 絵カードで語彙の指導
③生活の中での支援
INREAL的接し方で環境調整 スクリプトによる促進 行動療法
④集団場面での支援
大人はあくまで仲立ち人 励まし・バックアップによる調整活動
言い詰まったときのよき代弁者 周囲に誤解が生じないよう陰の支援


▼秦野先生
【言語支援の基本的立場】
社会的文脈の中での言語に注目 言語刺激としての人の役割を重視
【養育者の子どもの捉え方の傾向】
①(うちの子は)「何でもよくわかっている」
→「何が」わかっているか中身をチェックすること
②言葉の遅れは子どもの性格特性 「のんびりや」「おとなしい」
→障害の受けいれ体勢が整っているかチェック
③専門家に治してもらいたい
→当事者意識を育てる 専門家への幻想 「治す」考え方の修正
④子どもの気持ちに沿った働きかけや理解をしない
⑤ことばの遅れの犯人探しをする
⑥子どもとどのように接していいかわからない
→どうやって子どもに向き合うか考えないで どうすればいいかと訊く
 Thも信頼されていると勘違いすることアリ 依存関係はよくない
【インテークのポイント】
安心できる場だと子どもが感じるような相談環境
1-2歳児の見極めは難しい 見る→見立て→見るの継続が大切
【主訴からわかること】
①(年齢から期待されるよりも)ことばをしゃべらない
②ことば数が増えない(長いことばが続かない・会話ができない)
③発音不明瞭 つっかえてしゃべる 場面緘黙
インテークでは養育者は子どものことばの予後の見通しを知りたがっている
2回目の相談につなげられるように導く
養育者が子どもの成長を実感できる相談活動になるよう努力する
【発達検査のポイント】
①発達の不均衡(strengthとweakness)を含む総合判断
→検査は限られたものしか見えないが その年齢の代表的なものはわかる
②課題への興味の持ち方 取り組み方 他者との関係の取り方
※「聞こえ」の検査の重要性
→知的遅れがない場合 「聞こえてない」ことを疑いにくい
 子どもが周囲の状況や様々な手がかりで妥当な反応を示しているからだ
 このように行動観察では聞こえているように見えるときこそ聴力検査をする
【言語発達初期支援】
他者との関係を楽しむ力が身につくことを目指し 状況にふさわしい
コミュニケーションの仕方やふるまい方を学ばせ
文脈とことばがうまくリンクするようにさせる
他者の心が理解できるかも重要なポイント
・養育者へのガイダンス
子どもの発達のペースを知り ペースに沿った関わりを伝え
養育者自身が子どもの発達を実感できるような体験をさせる
子どもとの間に基本的信頼関係が成立できるようにする
話し手の意図がわかりやすく子どもに伝わるようにする
・子どもへの支援
情動の安定を基礎に遊び中心に相互行為を積み重ねる
初期のことばは文脈に依存して使用されるので状況の読み取りも重要
【語彙獲得期の大人の存在】
文脈を理解し 意味づけしことばの発声へ促してくれる「共にいる」存在
子どもと世界を共有しながら 新たな世界へ興味関心を広げる存在
距離をおいてやりとりできる存在
子どもの喜ぶことや楽しいことを探してくれる存在
状況を遊び化してくれる存在
実体験を共有してくれる存在
→身近な養育者が担う


事例から必要なアセスメント 見立て診断と実際の支援方法を考える
というグループワークがあった
同じグループの人の職種は様々で 園長先生や養護学校教員
1歳半や3歳検診をする地域保健婦 音楽療法家 心理相談員など
グループごとに発表したが かなり意見が割れて 
一つの事例からこれだけ様々な見立てが生まれる可能性があることに
気づかされた
答えは一つではない
プロは常にいろいろな角度から事例を見て 別の説明可能性を探る必要がある

▼大六先生
【文字に関連する情報(表象)】
①視覚的分析(形態認識)
②聴覚記憶(読み)
③意味
④視覚-運動(書字)
【かな表記】
かな表記の音読はまず音節に分解できることが前提(音韻操作) 
特殊音節(長音・撥音・促音)に分解する方がより難しい
作業記憶の処理速度が遅いと 音読が遅くなり結果かなを読めない
眼球運動及び視覚野の機能に障害があると かなをうまくたどれず読めない
視覚と運動の協応ができないと まっすぐの線が書けず かなが書けない
【漢字表記】
漢字習得困難な3タイプ
①聴覚記憶困難
 ・読みの多い漢字を一つの読みにしてしまう 
 例)金…キン=カネ 水…スイ=ミズ
 →前後の文脈を情報として使うことを教える 意味から理解する
 ・活用語尾誤読
 例)食べる…たべべる たべるべる(<食>で「たべる」と読むと誤解)
 →音韻分析の学習支援
②視覚的分析困難
 ・簡単な漢字の混乱…偏と旁が重なって見える
 →モール(針金)によって手で漢字を構成して覚える
 →象形文字など漢字の成り立ちを教える
③視覚-運動及び位置困難  読みは正常
 ・偏と旁が逆 書き順が苦手
 →聴覚法 (音で覚える)
 例)車ニムかって<転>ぶと危ない
※能力的に弱いところを 強みになる能力で補えるような支援をする

by peacetree | 2004-04-26 23:51 | あしあと
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